いつもありがとうございます♪
9月ももう少しで終わりですね。
お店の方は賑やかだった8月の反動なのか、毎年9月はゆっくりです。
10月から年末に向けてじわじわと盛り上がってくるはず!
期待しましょう。
さて!
前回、前々回と振り返ってきたチーズプロフェッショナル一次試験も今日の3回目で最終回。
過去の2回は ↓ こちらからどうぞ。
それでは最終回を始めます。
次の問いに答えよ。(1)チーズの熟成においてコントロールすべき環境要因を3つ記せ。
答え: 温度 湿度 通気
解説:熟成について覚えておくべき3要素ですね。どれか一つ欠けると良い熟成は望めません。教本p39
(2)かつて自家消費のチーズだったフレッシュタイプチーズが、ある程度日持ちがする商品として流通可能になったのは、どのような技術の発展によるものか、2つ記せ。
答え: 冷蔵技術 / 包装技術 / 食品添加物の開発 等
解説:さまざまな技術の近代化がもたらしたチーズの保存に与える影響。教本p21
(3)エメンタールに見られる大きな孔は、どのように形成されるか、述べよ。
答え: スターターに加えるプロピオン酸菌が、高温条件での熟成中にプロピオン酸や酢酸を生成してチーズの風味を生み出すと同時に炭酸ガスを出し、その炭酸ガスが、弾力性のある緻密な組織の中に閉じ込められて大きな丸い穴を形成する。
解説:ポイントは「プロピオン酸菌」と「高温下での熟成」です。教本p38p39
(4)山羊乳、羊乳、水牛乳から造られるチーズが牛乳製に比べて白いのはなぜか、理由を記せ。
答え: 牛の乳は黄色を呈するカロテンを含むが、山羊、羊、水牛は母体内でカロテンをビタミンAに変換するため、乳中にカロテンが含まれておらず、結果としてチーズの色が白くなる
解説:教本p27 各乳種の特徴、カロテンについてはおさえましょう。
【 問題10 】
パスタフィラータタイプのチーズの製造工程について、以下の問いに答えよ。
(1)下記のAからKまでの文章を製造工程順に並べ、解答欄にアルファベットで記せ。
A 加塩することもある
B カードを成形する
C カード粒を保温し、組織がササミ状になるまで乳酸発酵を促進する
D 原料乳を加熱殺菌する
E カード塊を細断する
F スターターを添加する
G 生乳を標準化(脂肪量調整)する
H ホエイを排出する
I レンネットを添加する
J 湯の中でカードを練る
K カードをカッティングする
答え: G → D → F → I → K → H → C → E → J → B → A
解説:やはり製造は詳しく問われます。教本p41~p51までは繰り返し読んで復習しましょう。
(2)パスタフィラータタイプのチーズの特徴を造り出す上で重要な製造工程を(1)のA~Kから2つ選び、アルファベットで記せ。
答え: C,J,
解説:教本p42 パスタフィラータタイプの特徴!
【 問題11 】
次の枠内の文章を読んで以下の問いに答えよ。
近年、貿易自由化の傾向があり、乳製品も流通の国際化が進んでいる。2017年7月にEU/欧州連合と日本との間のEPAが大筋合意となり、2019年2月にはEPAが発効され、関税の引き下げが開始された。これによりハード系チーズの全量と、ソフト系チーズの割当枠内の関税率が段階的に引き下げられ、16年目には撤廃される。 |
このようにEU産チーズの関税率が引き下げられていくことで、日本のチーズ市場や業界にどのような影響があると思うか、あなたの考えを述べよ。
◆採点のポイント◆
・チーズの輸入関税について理解していること
・自分の意見が述べられていること
・文意が明確であること
以上
解説:毎度のことながらこういう問題が一番時間が取られるうえに、配点も(おそらく)高いです。上記にあるようにポイントをおさえて文章化する練習も必要ですね。私がおさえたポイントは「①この先関税が撤廃されるため高品質の欧州のナチュラルチーズが安価で手に入ること」、「②それによって国産チーズとの品質競争が始まること」、「③結果として競争によりより良いチーズが産まれ、チーズ市場が大きくなること」を書きました。
*各問題の点数は非公開。
*記述式の解答例は一例であり、記載以外でも正解があります。
いやぁ~ なかなかの問題数。
107問です。
問い方や文章を書かせる問題、最後の小論文など問題の数え方にもよりますがだいたい110問弱。
今回の試験問題の内容から考えられる、重点的に勉強すべき箇所、そして試験時間の使い方を解説します。
《試験問題について》
全ての問題をじっくり観察するとどこを重点的に勉強しておけば良いのかが見えてきます。
以下、多く問われる問題です。(ザックリとわけてみました)
1位:各国の有名チーズ(D.O.P.やI.G.P.など)について → 26問
2位:チーズの製造について(原料乳、タイプ別製造法、熟成など)→ 24問
3位:表示について(一括表示、品質表示、ラベル、成分など)→ 12問
これだけで6割を超える問題数です。
これら上記の問題に歴史やそれぞれの国、地理、製造であれば道具、栄養などの要素を絡めて出題されています。
出題数1位、各国の有名チーズについては確実に記憶に定着させる必要があります。ただやみくもに繰り返し復習して覚えるのではなく、「国別」、「乳種別」、「タイプ別」などいろんなまとめ方をすると効率よく覚えられます。白紙の大きめのヨーロッパ地図にすべての有名チーズ「チーズ名、乳種、タイプ」を書き込んでいくのがかなりオススメです。
出題数2位、製造については覚えるというよりも製造工程を理解することが大切だと思います。それぞれの乳種の特徴についてはしっかり覚え、そして製造については教本p31をしっかりと理解すること。そしてその製法や熟成法がタイプ別に少しずつ違ってくるということですね。
出題数3位、表示については教本p183(賞味期限)、教本p188~p193(日本の食品表示項目~ヨーロッパのラベル表示)をしっかりとやること。
これらをベースに教本全体をカバーしていくと合格が見えてきますね。
問題のレベル、難易度は決して高くありません。深く掘り下げて問われることもありません。
《試験時間について》
一次試験の試験時間は1時間です。
当たり前のことですが試験時間には限りがあるので、無駄にするわけにはいきません。
しっかりとタイムマネージメントをする必要があります。
以下、試験当日の私の試験時間の使い方です。参考にしてください。
①全く分からない問題はどんどん飛ばすこと。
②どっちか悩む問題はパッと答えて先に進むこと。(問題に印をつけておく)
③小論文をやっつけます。(7割8割程度の出来で十分だと思います)
④残った時間(どんどん進んでいれば必ず時間は余ります)を①分からない問題、②印をつけた悩んだ問題を片づけて、全体を見直す。
⑤小論文やその他の文章系の問題の答えの質を上げる。(手直し)
この時間の使い方で、私は試験終了5分前に見直しも含めてやることがなくなったので試験会場を出ました。(1度会場から出ると戻ることは許されません)
大切なことはとにかくどんどん先に進むこと!(必ず解答欄は全て埋めること!)
ひとつの問題に悩んでいる時間は無駄です。(時間が足りなくなる人はひとつの問題に時間をかけすぎです)
一次試験の問題の質(レベル、難易度)はそんなに高くありません。(復習をキチンとして記憶に定着させておけば問題なし)
ですので問題を読んで、パッと答えが出ないようでは厳しいです。(順番に並べたり、文章を書かされるタイプの設問は別です)
悩んでしまうような問題は正解を導き出せる確率が低いのでとにかく先に進みましょう。(余った時間でじっくり悩んでくださいw)
私なりの解説はこのくらいにしたいと思います。
お付き合いいただきありがとうございました。
《最後に》
私はまともに勉強せずに生きてきました。そんな私でもソムリエ、シニアソムリエ試験に合格することができました。
そして今回、再挑戦ですがチーズプロフェッショナル一次試験、酒ディプロマ一次試験を突破できました。
当たり前ですが、挑戦することをやめてしまうと結果は出ません。
そして残念ですが、頑張って勉強しても頑張り方が間違っていれば結果は出ません。
継続すること、そして正しく頑張りましょう。
そうすれば必ず結果が出ます。
達成感って素晴らしいですよ。
2019.9.26 Sou Otani